初めての一人暮らしや結婚、ライフスタイルの変化などで、家庭料理をちゃんと作ってみようと思っても、どこから手を付けたらいいのだろうと悩んでしまいますよね。この記事では、「今まで料理をしてこなかった」という人に向けて、料理の基本を分かりやすくお伝えします。
料理に取り掛かる前に知っておくべきこと【基本ポイント3つ】
料理は、事故や怪我に繋がりやすく、とても注意が必要です!!
衛生管理や包丁、火の扱い方、この3つのポイントは必ず押さえておきましょう!
①衛生面に気を付けてから調理にとりかかる
汚染された手や指輪、時計などのアクセサリーをつけたまま食品に触るのは非常に危険です!
日常生活や外出先で付いた汚れが、アクセサリ―類にも付着することで、食品にも菌が移りやすくなります。特に、公共交通機関の利用後や、帰宅後に手を洗っていないと、手やアクセサリーに不潔な物質が付着する可能性がより高まります。これが食品と接触すると、微生物が増殖し、食中毒の原因となりえるでしょう。したがって、食事の前にはアクセサリー類を外し、しっかりと手を洗ってから調理に取り掛かりましょう。
これにより、食材の安全性を確保し、食中毒事故のリスクを軽減することができます。
②包丁の持ち方
包丁の扱い方を知ることで、怪我の防止になります!!
正しい持ち方をしていないと、無駄な力が入って食品を切る度に疲れやすく、集中力や注意力の低下に繋がります。これにより、怪我をする可能性が高まり非常に危険です。
正しい包丁の握り方を見てみましょう。
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利き手の人差し指と親指で、柄を手のひらで包むように持つ人差し指を伸ばし、包丁のミネに当てて持ってもよい
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利き手でない方の指を曲げて、材料を軽く押さえ包丁を支える
指を伸ばすと危険で、包丁も安定しない - きれいに安全に切るコツは、力を抜いて軽く包丁を持ち、しっかりと握ること
包丁の種類によって握り方が変わってきますが、基本となる握り方をしっかり覚えておきましょう!
③火の扱い方
火の扱いは、一歩間違えると火事や火傷の原因となり非常に危険です。
ガスコンロやIHで火力や熱伝導の効率性に違いがあります。どちらにしても、火の近くに布巾などの燃えやすいものを置かない。また、火をかけたまま長時間目を離さない。など、火の取り扱いには十分に気を付けて調理しましょう。
- 弱火…火力が一番弱く、炎が鍋底から離れている状態
- 中火…炎がほどよく出ている状態で、炎の先が鍋底に軽くあたる程度
- 強火…炎が勢いよく出ている状態
特に強火は、火が鍋底からはみ出やすく、火傷の原因となります。また、火力が強く料理が焦げやすいので火加減に注意しましょう。
調味料の計量の仕方
大さじ、小さじ、計量カップの分量を確認しましょう。
- 大さじ1=15ml
- 小さじ1=5ml
- 1カップ=200ml
計量カップや計量スプーンは、かさ(ml)を計るものです。重さ(g)ではないので、間違えないように注意しましょう。
粉状の調味料 大さじ1(小さじ1)
参考:レシピサイトNadia (oceans-nadia.com)
粉状のものは、大さじや小さじのスプーンでふんわりとすくい、へらなどで表面を平らにします。
粉状調理料 大さじ1/2(小さじ1/2)
参考:レシピサイトNadia (oceans-nadia.com)
表面をへらなどで平らにしてから、2等分に筋をつけて1/2の量をかき落とします。
液状調味料 大さじ1(小さじ1)
参考:レシピサイトNadia (oceans-nadia.com)
液状のものは、縁いっぱいまで入れ、表面張力で盛り上がった状態が1杯になります。
液状調味料 大さじ1/2(小さじ1/2)
スプーンの内側にある1/2の線に合わせます。
線がなければ、スプーンの深さの2/3を目安に計りましょう。
計量カップを使った正しい計り方
計量カップを平らなところに置いて調味料を入れ、目盛りを真横から見ます。
液体調理料は表面張力で盛り上がっているところではなく、平らになっているところの目盛りを見ます。
粉類は固まっている部分をほぐして、計量カップにふんわりと入れ、表面を平らにして計ります。
食材の選び方
スーパーに行ったとき、新鮮な食材がどれなのか一目では分かりませんよね><
よく吟味して買ったつもりなのに、実際切ってみたら少し傷んでいた…なんて経験ありませんか?
食べ物が傷んだ状態というのは、腐った状態、または雑菌が繁殖した状態のことをいいます。そんな食材を選ばないようにするために、どの食材が傷んでいてどの食材が新鮮なのか、見分け方を知っておく必要があります。
ここでは、各食材の新鮮な状態を見分けるポイントについて紹介します!
野菜
- ヘタをみる…ヘタが瑞々しく、ピンとした張りがあれば、収穫からあまり時間が経っていない証拠です。
- 切り口をみる…切られて収穫されるものはその切り口をよく見てみましょう。新鮮な野菜の切り口は、水分がしっかり残っており瑞々しさがあります。
- 色をみる…新鮮で元気なうちははっきりと濃い色をしています。
- トゲの状態をみる…触ると痛いくらいトゲが尖っているものを選びましょう。野菜のトゲが痛いのは、その野菜の新鮮さが保たれている証です。
新鮮な野菜にはビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。それらには、体の調子を整えてくれたり、肌をキレイにしてくれる作用が豊富に含まれています。
また、季節ごとに食べごろを迎える食材があり、それを「旬の食材」と呼びます。旬の食べ物は、安価で、新鮮で栄養価も高く、その時期に起こりやすい体調不良をカバーする成分が多く含まれています。例えば、春はたけのこ、夏はトマト、秋はしいたけ、冬は大根などが旬の野菜になります。
上記に記した新鮮な野菜の選び方に加え、旬の野菜も取り入れることで、更に多くの栄養価による効能も期待できます。積極的に旬の野菜も摂取していくと良いでしょう。
肉
牛肉
- 牛肉は、鮮やかな紅色をしたものを選ぶ
- 光沢がある乳白色(または白色)で、赤身との境界線がハッキリとしているものが新鮮
- ドリップ(血汁)がパックにあまり出ていないものを選ぶ
牛肉を買った後、内側が黒ずんでいる場合がありますが、これは鮮度が落ちているわけではありません。切ってすぐの牛肉は黒色をしていますが、空気に触れて酸化することで鮮やかな紅色になります。
豚肉
- 光沢があるものを選ぶ
- 脂身は光沢のある乳白色で、粘りがあって固いものが良い
- ドリップ(血汁)がパックにあまり出ていないものを選ぶ
豚肉は、淡いピンク色で、やや灰色がかった色をしており、鮮度が落ちると、この灰色が強くなってきます。また、部位によって多少色が違い、肩やスネは少し濃い色をしています。そのため色の違いではなく、光沢があるものを選びましょう。
鶏肉
鶏肉は、鮮度が落ちやすく、ニオイも強くなってきます。
- 張りがあり肉の色も光沢がある
- ブロイラー(短期間で出荷できる肉用の若鶏)の場合は、黄色っぽい皮のほうが新鮮と言われており、毛穴がポツポツと目立つものがおすすめ
- ドリップ(血汁)があまり出ていないものを選ぶ
挽肉
色が全体的に均一なものを選びましょう。
魚
尾頭付き
〈一尾で売られている魚の見分け方〉
- 透明で澄んだ目をしているか
新鮮な魚の目は、白目は透明で黒目も澄んでいます。白目が血で赤くなっていないものを選びましょう。
- 表面に光沢があるか
鯛やサンマなどの赤魚や青魚は、魚本来の色が綺麗に出ているものを選びましょう。鮮度が落ちて来ると、色が褪せて光沢もなくなってきます。
- 張りがあるか
魚は内臓から鮮度が落ちて来ます。そのため、腹をやさしく触ってみて張りがあるかどうか確認しましょう。
- ウロコが綺麗にそろっているか
鮮度が落ちると、ウロコが剥げやすくなります。ウロコが綺麗にそろっているものは、鮮度の良い魚です。
- エラが鮮やかな赤い色をしているか
魚のエラには血管が集まっています。そのため、エラを持ち上げて内側の色を確認してみましょう。黒くなっていたり、血や汁が出ていないものを選びましょう。
切り身
〈切り身魚の見分け方〉
- 切り口がシャキッとしているか
- 身に弾力があるか
- 色が鮮やかか
- パックに血や水が溜まったりしていないか
旬の魚は身に脂がしっかり乗っているので、身が痩せている時期よりも栄養が豊富となっています。また、コレステロールや中性脂肪を減少させてくれる、不飽和脂肪酸の量が多くなります。そのため、しっかり栄養を取りたい時は旬の魚を選ぶのがおすすめです。
食材の切り方
食材の性質を活かす切り方ができるようになると、食材の魅力を引き出せるようになります!
切り方を意識すれば、味が更においしくなるだけでなく、食べやすくなったり、仕上がりが綺麗になったり、調理時間を短縮できたりしますよ!
では、切り方を詳しく見ていきましょう(^^)/
野菜
多くの切り方がありますが、ここでは代表的な切り方をいくつかご紹介します。
- 薄切り
端から薄く切ることをいいます。
- 輪切り
にんじんやきゅうりなどの丸い棒状のものを、端から一定の厚さで切ります。
- 半月切り
丸い棒状のものを縦半分に切り、端から一定の厚さで切ることをいいます。
- いちょう切り
切り口の丸いものを十文字に切ります。
- みじん切り
材料を細かく刻むことをいいます。
- 短冊切り
およそ長さ4~5cm、幅1cmの長方形を幅2mm程度の薄さに切っていきます。火が通りやすいので、汁ものや炒めものに使います。
- せん切り
細切りよりもさらに細く切ります。長さは4~5cmくらい。細切りよりも柔らかな食感になります。
- 細切り
細長く切ることです。長さは4~5cmくらいで、せん切りよりも太く、拍子木切りよりも細く切ります。
- 乱切り
包丁の角度を45度にして、野菜を端から不規則な形に切る切り方です。大きさをそろえることがポイントです。面が大きいので火を早く通せます。
- くし形切り
玉ねぎやトマトなどの丸い野菜を半分にし、中央から等分に切り分けることをいいます。
- ささがき切り
細長い野菜、主にごぼうやにんじんに使います。野菜を回しながら、包丁で削るように切っていきます。
肉
お肉には筋繊維が長く走っています。加熱によって筋繊維を構成するタンパク質が収縮、凝固することで、お肉の食感は硬く、噛み切りにくくなります。そのため、加熱する前に筋繊維を断ち切る下処理することが大切です。以下の下処理をすることで、焼き縮みがふせげ、味もしみ込みやすくなります。
- 繊維に対して垂直に包丁を入れたり、フォークを使って繊維を切断する
- 鶏むね肉やもも肉は、皮についている黄色い脂を取り除き、皮面をフォークで数ヶ所ついたり、包丁の背でたたいたりする
- 均一に火を通すために厚さをそろえる時は、繊維に沿って切れ目を入れて開く
- 手羽先や手羽元は、骨に沿って切り込みを入れると火の通りがよくなる
刺身
今回は刺身の切り方を4つ紹介します。
- 平造り
もっともよく使われている刺身の切り方です。皮目を上にして、サクの右側を包丁の根元で引くようにして切り、そのまま刃先でまな板の右側へ順番に並べていきます。
- そぎ切り
皮目を下にして、左側から繊維に沿って薄く切っていく切り方です。
- 細造り
いかをそうめんのように細く切るときに使う切り方です。
- 角造り
サイコロ状に切る切り方です。
刺し身を切るときは、一方通行に切っていくのが基本です。前後に動かしたりすると断面がなめらかではなくなり、食感も悪くなるので注意しましょう!
食材の保存方法
野菜
野菜は、冷蔵保存や冷凍保存が適しているもの。又は、常温保存が向いているものがあります。
- 冷蔵保存
冷蔵保存に適しているのは、キャベツ、レタス、トマト、もやしなどです。野菜は乾燥するとしなびてしまいます。水分の蒸発を防ぎ、瑞々しさを保持するために、キッチンペーパーや新聞紙で包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
- 冷凍保存
冷凍保存するとよいのは下茹でをした青菜類です。レタスやジャガイモは解凍の際、水分が溶け出し食感が悪くなるので、冷凍は避けましょう。
- 常温保存
ジャガイモやタマネギなどの芋類や根菜類は、丸ごとの場合は、常温保存が向いています。湿度が低く、風通しのよい、冷暗所で保存しましょう。切ったものは、切り口が空気に触れないようにラップで包み、冷蔵庫の野菜室に入れると良いです。
冷凍保存の場合は長くて一か月、冷蔵保存の場合は一週間で使い切るようにしましょう!
肉、魚
- 冷凍で保存するのが基本
肉や魚は微生物が繁殖しやすいため、常温で保存するのはとても危険です!一般に、微生物は温度が上がるほど増殖しやすくなります。微生物は食品中の水分を利用して活動しているので、食品の温度を下げ、食品中の水分を凍結させることで、微生物の活動を抑制させることができます。そのため、短時間の保存であっても、冷蔵保存ではなく冷凍で保存しましょう。
- 水分を拭き取ってから保存する
水分がついたまま冷凍すると、霜がつきやすく、品質の劣化に繋がります。キッチンペーパーで水気をよく拭き取ってから冷凍保存しましょう。
- 空気に触れないように保存する
酸化防止のため、空気に触れないようにラップで包み、保存用袋に入れて冷凍しましょう。大きな塊は切り分け、量の多いものは袋に小分けして入れると凍りやすくなります。
果物
フルーツによっては追熟が必要なものや、冷蔵保存ではなく常温保存が適しているものもあります。
追熟が必要なものは、バナナやマンゴー、西洋梨、メロンです。
追熟が必要なフルーツは、以下のことに注意しましょう!
- 保存時は直射日光を避けて一定の温度になるよう心がける
- 常温(10〜15℃)で保存し追熟させる
- 日にちが経つほど果物から少しずつ水分が抜けていくので、新聞紙に包むなど乾燥しすぎないようにする
常温保存が向いているのはみかん、りんご、びわです。基本的には、追熟不要ですぐ食べられますが、冷暗所で常温保存(10〜15℃)しましょう。
料理の基本はこれで完成 調理器具や調味料
必要不可欠な調理器具と調味料
材料が揃っても、道具がないと料理はできませんよね ><
また、調味料がないと素材の味のみで、あまりおいしさを感じないはずです。勿論、素材の味を楽しむのも良いのですが、せっかくなので料理のレパートリーを増やすためにも調味料を使いたいですよね。
それでは、料理の幅を広げてくれる調理器具や調味料をいくつか紹介します!!
調理器具
〈用意した方が良い調理器具〉
- 包丁
- まな板
- フライパン
- 鍋
- ボール
- ざる
- 計量カップ
- 計量スプーン
- 菜箸
- おたま
- へら
〈持っていると便利な調理器具〉
- 泡立て器
- ピーラー
- キッチンバサミ
- トング
上記の調理器具は、ホームセンターやネットショップで揃えることができます。また、100円ショップでも調理器具を売っています。とりあえず揃えてみたい方は、100円ショップで購入するのもおすすめです!
調味料
〈基本調味料〉
料理の基本である「さ・し・す・せ・そ」の「砂糖・塩・酢・醤油・味噌」は揃えるようにしましょう!
〈ほかにも揃えておきたい調味料6選〉
- ケチャップ
- マヨネーズ
- 胡椒
- ごま油
- ポン酢
- めんつゆ
ごま油は味付けとしても使えるので、一本あると良いでしょう。また、ポン酢やめんつゆはタレとして使うだけでなく、炒め物にも使うことができる万能調味料です。
また、調味料は食品に味を付けるだけでなく、香りを付けたり、粘りやツヤを出したり、保存性を高めたりなど、料理のおいしさを左右する重要な役割をもっています。
基本調味料と今回紹介した6種類の調味料は、様々な料理に使えるので揃えると便利です。
まとめ
「料理」と聞くと、何から始めたらいいのか全く分かりませんよね。まずは、調理器具や調味料を揃えてみたり、スーパーに行って材料を買ってみてください。
料理はしていくうちに覚えていきます。なので、焦らず楽しみながら料理をしていってくださいね(^^♪
料理の基本を覚えると、どんな料理にも応用ができます。
ぜひ、この記事を何度も読んで料理の基本をマスターしていきましょう(•̀ᴗ•́)و ̑̑
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